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本枯れ節・荒節ができるまで
本枯れ節、荒節ができるまでの工程です。
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●本枯れ節と荒節
本枯れ節、荒節それぞれに特徴があります。価格の高い本枯れ節がよいというこ とではなく、味や風味のお好み、作る料理の傾向などで使い分けて選ぶことが大 切です。
● 本枯れ節とは
鰹節の製造過程において「鰹節菌(麹菌の一種)」というカビを付ける作業をし
たものです。
自然に発生するカビではなく、人為的にカビを発生させます。カビを付けては天日干し、またカビを付けては天日干しという作業を何回か繰り返し、最終的にカビがつかないくらいに乾燥すると『本枯れ節』になります。
カビが鰹の脂を分解したり(においが取り除かれ上品な香りになる)、鰹の水分を吸い上げたり、イノシン酸などの旨味を作ります。また、水分がほとんど抜かれた
状態になるので保存性が高まります。カビ付けをすることによって、すっきりと上品な鰹の旨味を味わえます。カビ付け工程は手間と時間がかかる作業となるため本枯れ節の価格は荒節より高くなります。
● 荒節とは
カビ付け作業をする前の段階である『焙乾(ばいかん)』という工程をした状態
の鰹節を『荒節』といいます。
カビ付け作業をせず、燻す(いぶす)作業で終了しているため、鰹特有の力強い香りが残っています。カビ付けで枯らしていないので乾燥度が低いことも鰹の香りが力強い要因です。
カビ付けの工程がないので本枯れ節よりお求めやすいお値段です。
— 本枯れ節・荒節ができるまでの流れ —
生切り
水揚げされ急速冷凍されたかつおを解凍後、生切りします。頭と内蔵を取り除き、3枚におろします。
おろした身はそれぞれ身割りし半分にします。1匹の鰹から4本の鰹節ができます。
煮熟 (しゃじゅく)
おろしたかつおの身を篭に入れ、熱湯につけます。熱湯につけた後は身を引き締めるため放冷します。
鰹の旨味成分を閉じ込めます。この段階のものを「なまり節(生利節)」といいます。
骨抜き
次は骨抜きの作業です。
皮やうろこ、骨、汚れなどを手作業で取り除きます。
焙乾 (ばいかん)
かつおを燻す作業です。
鰹を燻す作業です。水分が多い状態なので水分を抜いていきます。燻して、冷ま し、燻して、冷まして・・という作業をくり返します。この作業が終った時点で出来たものが『荒節』です。スーパーなどで袋に入って売られている花かつおはこの荒節を削ったものが多いです。
ここまでの工程だけですでに、解凍、水洗い、生切り、煮熟(しゃじゅく)、骨抜き、焙乾(ばいかん)、削り・・と数々の工程があります。 そして、それぞれの工程に、『うま味を逃さない』『腐敗を防ぐ』『香りを付ける』『不純物を取り除く』など、より良いかつお節を作るための大切な意味があります。
修繕
骨抜きの作業などで損傷した部分をかつお節の形に整えるため1本、1本丁寧に修繕をします。
鰹節に仕上げて行くために途中で身割れをしたり、損傷部分が広がらないようにするためです。鰹の煮塾肉などを使い、損傷部分を補っていきます。
もう一度、焙乾 (ばいかん)
本枯れ節にするためにさらに焙乾を繰り返します。この工程が終わったものを『裸節』といいます。
カビ付け、日乾
本枯れ節にするための作業です。このカビ付けには1番カビ、2番カビというように何回もカビ付けをします。カビを付けて天日干し、カビを付けて天日干しを繰り返します。ほとんどの人が思い描く『削る前のかつお節』のイメージに仕上がるのは、この時点のものです。
ここまでに4ヶ月~6ヶ月もの時間がかかります。はじめは青かったカビも2番カビ3番カビと付けていくうちに枯れてきて茶褐色になってきます。
3回以上カビ付けをしたものを本枯れ節といいます。
ほとんどの人が思い描く『かつお節』のイメージに仕上がるのは、この時点のものです。
なんとここまでに半年もの時間がかかります。はじめは青かったカビも2番カビ3番カビと付けていくうちに枯れてきて茶褐色になってきます。