和食の基本、出汁について:松ヶ枝屋

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和食の基本、出汁について

出汁(だし)は料理の基本です。

出汁のとり方は様々です。基本はあってもこれが正しいというものはないように感じます。色々な料理の本にある「出汁のとり方」も微妙に違う部分があって様々ですし、飲食業をされている店主さんの出汁の取り方もそれぞれに工夫をされたり、使っている食材との相性を研究したりされています。
ここでは基本となる一般的な取り方をご紹介します。

● 鰹の旨味と昆布の旨味は和食の美味しさの基本

出汁(だし)は料理の基本です。

出汁は料理の『味付け』とは違いますが、出汁がきいていないと、味気なくなります。だしの美味しさは「うま味」、そして香り(風味)です。うま味が効いていると、料理は俄然美味しくなります。調味ではつけられない「うま味」が素材を引き立たせてくれ、作りものではない「風味」が食欲を誘います。

また、美味しい出汁がとれていれば、味付けは控えめでも十分満足できる深い味わいが楽しめます。

もし、料理の味付けが決まらない場合、物足りなさは、醤油や塩の調味料ではなく「出汁」かもしれません。

● 野菜も魚貝も昆布も鰹節も煮干しも全て自然のもの。

自然の様々なものから出汁はとれますが、和食の出汁の素材は全てが体にいいものです。

外国の出汁(ブイヨン、コンソメなど)はお肉など動物性のものが多いのですが、和食の出汁は、昆布や、椎茸があり、また、動物性のものでもお魚が主です。毎日の食事に使い続けても体が喜ぶ素材ばかりです。

ですが、素材である昆布や鰹節から取る出汁を使っている家庭よりも化学調味料での出汁(もどき)を使う家庭が多いのが現状です。

スーパーの売り場を見ても一目瞭然です。花かつお昆布、煮干しなどの売り場と化学だし系の売り場とでは、スペースも棚の取り方も違い、特売も良く売れる化学だし関係が多く見られます。
ついついそっちを使ってしまって・・という人が多くてもおかしくありません。

そして、自分で出汁をとった事が無いという人は『めんどくさい』(めんどくさそう)というのが理由のようです。確かに、『顆粒を溶かすだけ、またはお水で薄めるだけ、またはそのまま使うだけ』・・に比べれば素材から取る方が手間はかかるでしょう。

しかし、和食の出汁は「もう二度と作りたくない」というほどのめんどくささではありません。自分で出汁をとると、『せっかく美味しい出汁をとったのだから』という気持ちで料理を作ります。初めてきちんと自分で出汁を取った時、いつになく丁寧に料理をする自分に気が付きました。結局、少しの手間をかけたぶん、最後まで大切に料理するようになるのです。そして、やはり何より本物の味、美味しさの違いです。昆布からとった出汁は和食には欠かせませんし、煮干し椎茸の独自のうま味も和食ならではの美味しさです。

そして実際やってみると、その色々なメリットに引きかえ、和食の出汁を取る事は簡単です。
かける手間は、お水につけておくだけ(昆布煮干し)・お湯で煮出すだけ(昆布煮干し)などです。外国の出汁は何日も素材を煮込んだりしますが、和食の出汁はそれに比べると簡単に取れます。日々の食事の基本の部分である出汁は、「偽もの」ではなく「本もの」を味わっていただければと思います。

※料理人(プロ)の人は「出汁をとる」ではなく「出汁をひく」と言います。